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「佐賀のがばいばあちゃん」を観た。 

 戦後広島で暮らしていた主人公・明広。しかし、仕事に追われて子供に手がかけられない母は、彼を佐賀に住む自分の母親に預ける事にする。半ばだまし討ちの形で佐賀に連れてこられた明広は、バイタリティーあふれた祖母とともに暮らし始める…。
 何の解説もいらない、話題作。みんなが良いと言っているものだから、結構期待していたのですが、私はまったく評価できませんんでした。それは何に原因があるのだろうと考えてみたのですが、要するにがばいばあちゃんというのは、単にみみっちいだけの印象しか持てないからだった。
 武士はくわねど高楊枝、という言葉がある。この作品の中で、下駄の片方が上流から流れてきたら、やがてもう片方も流れてくる、と言って着服するシーンがあった。それを観た時はもう、本当に不快だった。例え腹が減っていても、諭して警察に届け出る事こそが大事なはずだ。落としてしまった人は本当に困っただろうから、それが教育というものだろう。それをもっともらしい屁理屈をつけて隠匿するような人は、本当の意味でのがばい人ではない。
 また、ばあちゃんの言動に一貫性の無いのも気になった。普段あちこちに迷惑…というか、気を使わせておきながら、医者が『治療代はいらないよ』と言ったことに過剰反応する。人に情けをかけてもらうのがそんなに厭なら、豆腐屋から定価で豆腐を買ってやれよ!
 俺は貧乏な家だった。自分だって運動会に親が来たことは無い。マトモに弁当を作ってもらったためしも無い。しかしそれを恨みもしなかったのは、自分ばかりが貧乏ではなかったからだ。いったい、この話は本当のことだろうか?俺の子供時代よりさらに昔の話、弁当が貧弱な子供を気にしていたら、先生は10人前くらい弁当を用意しなくてはならなかったはずだ。
 この作品は感動作でもなんでもない。ただせこいだけの、卑しい話だ。工藤夕貴のみ良い。

   監督 倉内均
   出演 吉行和子
 

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「夜のピクニック」と「ピクニックの準備」を観た。 

 『…こんな風にここに座ってこの景色を見ることって、もう一生無いんだろうな。
 時間がこんな風に見えるのって無いよな。』

 あかん、このセリフにやられました。
 ただ、歩く。
 ただひたすら歩く。
 こんな体験ができるなんて、なんて素晴らしいんだろう。
 多くの人間は、こんな体験を共有する事なんて一生無いのだから。
 不平たらたら、悪態つきながらそれでも一歩一歩進む。助け合い、励ましあううちにやがて何も感じられなくなり、ゴールに入る達成感。
 "あいつと話ができるだろうか。" 小さな秘密がこの話のメインテーマ。しかし、この話に平行して千人のストーリーがあり、歴史とともに数知れない"語られなかった物語"があったのだと思いをはせる。
 青春なんて、歌じゃないけど後で気がつくもの。今を大切に、なんて、十代の頃には全然ピンと来なかった。私はそうだった。だけど、もし、当時この作品を観ていたなら、きっと何かを感じただろう。それは確信を持って言える。
 
 さて、本編に付属して、先行リリースされた「ピクニックの準備」。
 多くの予告DVDが、単なるメイキングの域を出ていないのに対し、このDVDではちゃんと本編のストーリーを補足・解説していて、観ていて楽しかったです。原作とともに、先に観るか、後に観るか悩みますが、私個人は「夜ピク」→「準備」→もっぺん「夜ピク」のパターンをお勧めします。
 この話のモデルになった高校は水戸一校。関係ないですが、我が郷土の高知大学には二日にわたって室戸まで歩く100キロ完歩があります。

   原作 夜ピク・準備ともに恩田陸
   監督 長澤雅彦
   出演 多部未華子 石田卓也 郭智博 西原亜希
      貫地谷しほり 柄本佑 加藤ローサ

「ベロニカは死ぬ事にした」を観た。 

 原作(パウロ・コエーリョ)は読んだ事が無いが、主役はベロニカという女性である。まずい事にこの映画は、舞台が外国の原作を、むりやり日本に置き換えてしまったようなのだ。したがって、原作に「あるらしい」戦争の陰は一切見えない。そのかわり真木よう子の爆乳オナニーシーンがあるぞ!それで充分じゃないか。
 と、まあ、好意的に書いてはみたものの、安直な改ざんだよなあ、という気持ちはどうしてもぬぐえない。そして、この作品で語られるエピソードは、どれもこれもが中途半端に投げ出されてしまっている印象で、どうにも心地悪い。なんでトワはクロードに惹かれたの?結局トリップ中毒の中嶋朋子は何がしたかったの?こんなに豪華な役者陣が、ただ出てくるだけのもったいなさよ!
 そんなわけで、このままだったら評価は低いままだったろう。ところが最後に大きな謎が出現する。果たしてベロニカ(トワ)は生き残ったのか?いや、ひょっとして24時間以内に死ぬ事になっていたのはトワでなく…?
 それでも生きていくか。心に決めたか。ならばこちらも評価しよう。「多くは失敗した作品だが、きらりと光るものがある。」

   監督 堀江慶
   脚本 筒井ともみ
   出演 風吹ジュン 荻野目慶子 淡路恵子 市村正親

「狼少女」を観た。 

 初恋のお嬢さんは、実はソープ嬢だった、という話。
 「三丁目の夕日」を比較対象にあげている人をよく見かけるが、作品の中で昭和をどう描くかで、大きな違いがあった。「三丁目…」では、CGを使ってでも、とにかくリアルな画面を目指していた。ゆえに小さな粗を指摘されてしまったが、監督のこだわりは読み取る事ができる。
 それに対して、「狼少女」では、昭和はあくまでガジェットに過ぎない。冒頭の会話から、アポロ月着陸の後である昭和44年以降だろうと推察できる。しかし、そういったことは鑑賞者に『昭和の話をしてますよ~。』と言っているだけに過ぎない。配られている新聞をよく見ればホームページアドレスが載っている。細かいところは、どーだっていいのだ。したがって、ブランコや服や校舎のデザインが今風だとか、舗装路が多すぎるとか、目をつぶるか、気がつかない振りをしなくてはならない。本来ならこの事で作品の評価が下がることなど無いはずだった。
 しかし、そうは言ってもあまりに時代考証がなおざりである。後半になるにつれて、脚本と演出が乖離していくのだが、そうなるともう、画面に突っ込みたくなるのを抑えるのに必死だった。
 いったい転校していく留美子のトラックを、どうやって見つけたのか。さらにどうやって追いついたのか。脚本に無理があるのを(おそらく)承知で何故こんな演出をしたのか。例えば最初に、狼少女のチラシを配っていたのが旅館の前だったら、普通に別れのシーンを挿入できたかもしれない。そういうことは考えなかったのか。
 そもそも、なんで黄色のマフラーは良くてブラジャーはいけないのか。行きずりのおばさんは良くて留美子はいけないのか。留美子がお金持ちだからか。そのような伏線は無かったが。母親の心根に一貫性が無いような気がしたのは俺だけか。あの「ニューシネマパラダイス」調の音楽が気になるのも俺だけか。
 狼少女の正体を知った時、空には満月がかかっていた。いいのか、こんなんで。
 いい映画だった。しかし体育館映画の域を出ない。

   監督 深川栄洋

演劇センター’90「もやしの唄」を観た。 

 さる4月26~29日、私の係わっている演劇センター’90の新作「もやしの唄」が公開されました。今回は日にちで出演者が変わるダブルキャスト。私は山北美砂子松田昭彦の日曜日に観劇しました。
 時代は昭和30年代後半。両親を亡くし、幼い妹と弟を育ててきた泉もやし屋主人・泉恵五郎(谷山圭一郎)。七年前には妻をも亡くし、一人もやし屋を切り盛りしている。ここに村松(刈谷隆介)という住み込み店員がやってきた。自立の志はあるものの、この村松君、どうもしっかりしない。恵五郎に秘めた好意を持ち、店の手伝いをしている九里子(門田麻希)の方がよっぽど役に立っているくらいだ。それもそのはず、村松には大きな秘密があるようなのだ。ある日、村松は恵五郎に対し、『施設を新しくして、オートメーション化してはどうか』と、持ちかける…。

 成長するもやしたちの出す小さな音、「もやしの唄」を、効率化や新しい事に対するアンチテーゼとして観劇者に語りかけてきます。一時流行った、「あの頃は良かった」調の要素もありますが、それよりも、普遍的に変えてはならないもの・捨ててはならない価値観があるのだ、というテーマは、素直に共感できました。
 また、今回の最大の収穫は長女・泉十子役の岡林智子。デビューからわずか三作目にして、”化け”ました。細かな注文はありますが、いきなり舞台度胸が据わった演技をしたことには、驚愕しました。次回作には都合で出演できませんが、このまま伸びて欲しいです。

   脚本 小川未玲
   演出 帆足寿夫
   出演 岡村慎司
      青木優美
      川島敬三
      帆足由美

「復活の日」を改めてみてみた。 

 かの角川映画、世界初の南極ロケ、豪華出演役者の「復活の日」。監督は深作欣二。当時の評価はもう一つだったそうですが、ここ最近、深作の死去とDVD発売により、改めて観たら面白かったよ、という意見がちらほら。さらに、先日書庫の整理をしていたら、当時のキネ旬を見つけて、脚本を読み込むという珍しい体験をしたので、これは久しぶりに観てみよう、と思ったしだい。公開当時、私は中学生くらいだったかな?個人的には面白かった記憶があります。さて、かなり映画を観た今の自分がこの映画を観たらどうなるか。(後日に続く。)

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