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「グエムル 漢江の怪物」を観た。 

 さて、この映画をどのように評価すべきか?キネ旬では2006年度外国映画部門第三位。しかし私の中で、この作品は既に対象外としての認識なのである。では評論家筋の評価の高さに、何故乗れないかを語ってみようと思う。
 最初に、『埃が嫌いだからホルマリンを捨てろ。』と、言われて流したホルマリンの量が、ありえん程うそ臭い。そりゃそうだ、ホルマリンでは突然変異なんか起きないから、あの量を流して、初めてリアルに見える。そもそも、ならナンでホルマリンなんだよ!と、画面に突っ込んだら、実は昔、あのエピソードの元になった事件があったらしいです。あれは、米軍とともに暮らす韓国の人たちの、複雑な立場と気持ちを表しているそうなのです。
 そう考えると、このエピソードはまあ良いと思う。しかし、軍とこの話とのかかわりで、評価できる事はこれだけ。のちに出てくる米軍、韓国軍の描き方は、はっきり言って一国の軍隊としては形にもなっていない。漢江にあんな怪物が出てきたら、辺りの住民を避難させた上で殲滅作戦を行うだろう。いったい彼らは見張りだけをして、一般人以外には効きもしないガスを撒いて、何をしているのだ?いくら主人公一家を活躍させる為とはいえ、否、活躍させたいなら、もっと効果的な軍隊の使い方というものがあったはずなのである。
 一家を取り巻く政府の機関や、病院などの、非人道的かつ、非効率な仕事ぶりには、「おいおい、もう韓国は一流国になったんじゃ無かったのかい?」とイライラが溜まりっぱなし。これも話の辻褄を合わせようとして、かえって不自然になっている好(?)例。本来、怪物に接触した人間にはリサーチするのが普通。これも『細菌感染した』という米軍の先走りを描きたいがために、無理がきたと思われます。
 大体、あの主人公はナンですか。いくら新鮮味のある主人公にしたいからと言って、あれでは感情移入が出来ません。慌てて他人の手を引っ張るのは人間だからリアルにあるとしても、弾数を間違えて殺される父親の身にもなってくださいよ。その演出は行き過ぎ!てめーが真っ先に殺られてしまえ!

 怪獣映画には、大きな嘘を嘘に思われないために、小さな嘘をつかない、という「ペテン師の鉄則」が使われる。主人公が怪獣をやっつけるという行動に不自然なところがあれば、話が崩壊してしまうのは自明だからだ。
 最近やっとなのだが、ゴジラ対メガギラスを見た。はっきり言うと特撮としての力は無いに等しいのだが、「主人公が怪獣を倒す」その事一つで佳作となった作品だ。話に穴があるのは目をつぶってもいいと思えるほどに、主人公が魅力的な作品だ。もし、特撮で人のドラマを描きたいなら、こうでなくてはならなっかたろう。つまり「理由」。
 グエムルにも理由はあった。しかし、その理由の上にありがちなテーマを乗せた結果、単に陳腐さだけが際立ってしまった。このことだけで評価は下がる。

 しかし、もう一つ、評価を下げた事柄がある。ネットで指摘された通りだが、この話の骨子に「パトレイバー3・WXⅢ廃棄物13号」の流用…はっきり言ってパクリが見られること。ことに、グエムルの造詣は、末弥純のクリーチャーデザインのもろ盗用といえる。
 作品は互いに影響をし合う。押井守も影響を受けた作品はある。しかし、みな影響を受けた作品には敬意を払い、『ギャグにしましたよ。』『インスパイアされましたよ。』という事が判るように引用する。しかしこの作品の製作側は明らかなこの盗用を認めていない。配給(日本サイド)にいたっては、話題になった後で『日本で人気のパトレイバーと似ているかどうかは、当然検討しました。結果、大丈夫と判断し…』などとコメント、行間に後で気がついた様子が見え隠れ。あんたら知らんかったやろ!

 怪獣をあの大きさにしたアイデアは評価する。大きさに対する恐怖と、得体の知れなさに対する恐怖。相乗で恐怖を増幅させるサイズだ。高架から人を襲う怪獣を見下ろしたシーンは、鳥肌が立つほどエキサイトした。屋台から怪獣を銃撃したら襲いかかられたシーンも凄かった。スピードといい、動きといい、これもあの大きさだから良かったのだ。かようにきらりと光るものも多い。それに対しては拍手を送ろうと思う。

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